COLUMN
業務改善助成金を飲食店が使った実例|時給を上げて、厨房の設備も入れる
情報の確認日:2026年10月1日
業務改善助成金は、お店で一番低い時給を引き上げ、あわせて仕事を楽にする設備を入れると、その費用の一部が出る国の助成金です。飲食店での実例と、金額の決まり方をまとめました。
しくみ
- お店で一番低い時給(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げる
- あわせて、生産性が上がる設備投資など(機械・設備の導入やコンサルティング)を行う
- 設備投資などの費用 × 助成率 と、助成上限額のいずれか少ないほうが出る。上限は最大600万円
助成率:引き上げ前の一番低い時給が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4。
助成上限額(従業員30人未満のお店の場合)
| 引き上げる人数 | 50円コース | 70円コース | 90円コース |
|---|---|---|---|
| 1人 | 40万円 | 50万円 | 100万円 |
| 2〜3人 | 70万円 | 100万円 | 240万円 |
| 4〜5人 | 70万円 | 130万円 | 270万円 |
| 6〜7人 | 90万円 | 180万円 | 360万円 |
| 8人以上 | 110万円 | 230万円 | 450万円 |
※「10人以上」の区分(130万・300万・600万円)は、条件を満たす特例事業者だけが対象です。
飲食店の実例(厚生労働省の事例集より)
実例1:佐賀県の飲食店(従業員7人)
- 困っていたこと
- 電話でのテイクアウト注文が増えて店内の仕事に支障が出ていた。厨房から客席が離れていて、料理を運ぶのに時間がかかっていた
- やったこと
- テイクアウトの予約サイトを開設。カウンターを改装して厨房から直接手渡せるように。調理器具もいくつか更新
- 賃上げ
- 90円コース。4人の時給を引き上げ、一番低い時給を830円→920円に
- 結果
- 電話注文の対応(1件5〜15分)が減り、テイクアウト売上が35%増。平日昼の来店が1日10人以上増え、店全体の売上が16%増えた
実例2:大阪府の飲食店(従業員10人)
- 困っていたこと
- 焼き物・蒸し物などで手作業の工程が多く、時間がかかっていた
- やったこと
- スチームコンベクションオーブン・冷凍粉砕調理器・湯引きマシンを導入。連絡事項を共有するシステムと、後輩指導の研修も実施
- 賃上げ
- 90円コース。7人の時給を引き上げ、一番低い時給を1,000円→1,090円に
- 結果
- 仕込みの作業時間が80%短縮。裏ごし作業は1回30分→5分に。情報共有の時間も1日1時間減った
参考:大阪府の飲食店(従業員9人)※別の助成金の例
ガスコンロ中心の調理で提供が遅れ、休憩がとりにくかったお店が、スチームコンベクションオーブンを導入。仕込みと調理の時間が短くなり、休憩時間を1時間増やせました(働き方改革推進支援助成金の事例)。
飲食店で対象になりやすい設備の例
実例のほかにも、券売機・POSレジ・食器洗浄機・製氷機の入れ替えなど、「人の手間を減らす設備」が考えられます。対象になるかは、申請前に労働局で確認しましょう。
気をつけること
- 従業員がいないお店は対象外です(従業員の時給を上げるための制度のため)
- 交付決定の前に買った設備は対象外。必ず「申請 → 交付決定 → 購入」の順番で
- 引き上げの対象は、雇い入れから6か月を過ぎた人で、週20時間以上働く雇用保険の加入者
- 時給の引き上げは1回で行い、就業規則などにも書く必要があります
- 令和8年度の申請受付は2026年9月1日から。締切は都道府県ごとに違い、予算がなくなると早く終わることもあります
- 申請は、お店のある都道府県の労働局へ。同じ事業場の申請は年度に1回までです
いま受付中の都道府県と締切は、業務改善助成金の都道府県別一覧で確認できます。
出典
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